年下の王様
陽菜と出会わなかったらチャラチャラしてたのかも。



適当な女ひっかけて、適当に遊んで。



きっと充実した日々なんか送ってなかったと思う。



それに恋の痛みとかも知らないままだったと…。



そう思うと陽菜に感謝だよな。



自分がこんなになるなんて思ってなかったけど。



「声聞きたくなった…」

「うわっ…。斗和が丸くなりすぎてる…」

「電話して寝る」

「俺もチカちゃんに電話しよ~」



俺達って彼女愛だよな…。



めったに他人には言わないけど、陽太になら本音を語れる。



「もしもし」

「どうしたの~?」

「お前ってなんで俺が好きなの?」

「えっ!?きゅ、急になに…?」

「気になったから」

「なんで…かなぁ~?よくわかんないけど好きなんだよね」



俺もよくわかんね。



なんで陽菜が好きなのか。



だって俺的にタイプじゃねぇし…。



「無性に会いたくなったんスけど…」

「く、来る?」

「酒飲んだから車ムリ」

「歩いて来たら?近いし」

「お前、会いたい?」

「…………うん」



よし、行こう。



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