年下の王様
めっきり寒くなった朝はガッチリと抱き合うようにして目覚めた。



まだ寝てる陽菜を起こさないようにベッドを抜け、服を着る。



布団から出てる肩にちゃんとかけてやる俺、かなり偉い。



大学行かなきゃなんねぇから帰らなきゃ…。



遊吾のコーヒー牛乳も買って。



「陽菜、起きろ」

「んっ…朝?」

「俺帰る。寝坊すんなよ?」

「うん…」



また夢の世界へ旅立った陽菜を見てから家に帰った。



キッチンに立ってるのは珍しく父ちゃん。



「朝帰りっスね~」

「まぁ若いから」

「目玉焼き食う?」

「母ちゃん寝てんの?」

「今日から俺、出張だから早く起きちまった」

「食う」



部屋に戻って着替えたら遊吾を起こす。



遊吾の部屋はまだガキっぽい。



少し片付けろよチビ…。



「遊、起きろ。朝だぞ」

「まだ寝る。兄ちゃんうるさい…」

「コーヒー牛乳飲んじまうぞ~」

「起きるよっ!!起きますよ…兄ちゃんってオカンみてぇ…」



しょ、ショック…。



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