年下の王様
この感情の意味がわからないまま、陽菜の授業を受けた。



今日はラフだなぁ。



いつも背伸びしたスーツ姿なのに今日はTシャツにピンクジャージ…。



ついに諦めたか?



理想のビシッとした教師。



お前にはその方が合ってると思うけど。



「今日の陽菜ちゃん、カワイイね」

「あたしも思った!!絶対スーツ似合わないよね~」



ぷっ!!



影でも言われてんぞ!!



やっぱり陽菜はどこまでいっても陽菜なんだな~。



「じゃあテキスト26ページから読んでもらいまぁす。三神さんまで当てたから~、次…み、宮君!!」



今、間がありましたね?



しかも噛みましたね?



バレんだろクソチビ。



ムカつく。



ササッと読んでやった。



「はい…完璧です…。だけどもう少しゆっくり読んでもらいたかったかなぁ~?」

「くっだらねぇ」

「へっ!?」

「なんでもねぇよ」



ボケチビ。



バレて別れるとかになったらどうすん……って、なに考えてんだ俺…。



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