年下の王様
理事長って…
【陽菜】



夏休みが今日で終わる。



何事もなく終わった夏休み。



だけど今、なぜか理事長室に呼ばれた。



神妙な面持ちの理事長から漂う恐ろしい雰囲気…。



一瞬でバレたんだとわかった。



「斗和を…留学させる」

「えっ?」

「斗和が出した決断だからなにも言わずに見送ってほしい」

「どうして…そんな…」

「わかってるでしょ?原因なんか」

「私…ですか…?」

「そうだと思うならそうじゃないかな?」



そんな…。



あたしのせいで留学なんて…。



ウソでしょ…?



「これが手続きの書類。担任の先生にはサインいただかなきゃ」

「いや…です…」

「もう決めたことだ」

「そんなのイヤです!!あたしのせいでそんなこと!!」

「じゃあどうする」



理事長の真剣な顔にビクビクした。



こんな怖い理事長、初めて見た…。



「斗和から携帯を取り上げたのも俺だから」

「壊れたって…」

「そうか」



入部したいって言った時からおかしかった…。



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