年下の王様
泣きながらご飯を食べた。



優しく笑ってくれる理事長と奥さん。



遊吾君は理事長がイジメたんだと思って怒ってたし。



なんかもう一気に脱力しちゃうよぉ~…。



そして、理事長の計らいで初めて行った斗和の部屋。



広い部屋には大きなテレビと大きなベッドがあるだけ…。



こんなに生活感のない部屋にいるんだ…。



「学校のモノとかどこにあるの?」

「全部クローゼット。モノ置いとくの嫌いだから。そんなことより抱きしめさせて…」



あたしを抱きしめた斗和のため息…。



その気持ちはわかる…。



今はあたしもホッとしてるから…。



ソファーもない斗和の部屋で抱きしめられ続けた。



そのままどれくらいぶりにしたかわからないキス…。



そんなに…焦んなくてもあたしはちゃんとここにいるのに…。



求められてるようなキスは愛されてる実感が湧いた…。



「もう触れねぇと思った…」

「うん…」

「今すぐ陽菜がほしい…」



そんなこと言われても…。



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