年下の王様
1階には斗和の両親がいて…。



いつ来るかわかんないし…。



あたしも今日はそんな気分だけど…。



「ダメだよ…。大人として…。それにいつ入って来るかわからない…」

「父ちゃんだってわかってるって…。そんな野暮なことしねぇから」

「待って斗和っ…」



やっぱりダメだよ…。



そう思ったのに体は言うことを聞いてくれない。



されるがまま。



ううん、されたい…。



「陽菜…陽菜…」



何度も繰り返される甘いキスで頭がボーッとなる…。



こんな風に求められたのなんて生まれて初めてで…。



「夜景も見えねぇけど…。ごめん…」

「もう…そんなのどうだっていい…」



あたしも斗和が欲しくなっちゃったから…。



求められた分だけ、求めたくなる…。



斗和のベッドで斗和の匂いに包まれて…。



初めて見る余裕のない斗和の顔…。



あたし…教師なんかやめてもいい…。



そう思うくらいの幸福感…。



< 95 / 549 >

この作品をシェア

pagetop