家族ごっこ~want to become real from a fake~
ふと何かを感じ、目を開けて気配のする方へ首を動かした。
――あぁ。直ちゃんか。
直ちゃんったら、電気も点けず暗闇の中で椅子に座っている。
「どしたの?眠れないの?」
そう尋ねると
直ちゃんは何も言わずに立ち上がった。
そして台所の前に立ち、タバコでも吸うのかと思ったら、やっぱり何も言わずに洗面所へ向かって歩き出した。
何かおかしい。