夢の彼方
どうしよう。


どうしてもこれじゃなきゃってわけじゃない。


他の衣装だって構わないのだけれど。


でも・・・・・


「―――裾が短いと、どうしてだめなの?」


どうしても気になって。


聞かずには居られなかった。


レジーはちょっと困ったように視線を泳がせ―――


「―――あんたには、着て欲しくない」


「だから―――」


どうして?


そう聞こうとして。


不意に、手を握られる。


今まで、こんなことはなかった。


マネージャーとタレントという間柄だからいつもそばにはいるけれど。


こんな風に、手を握られることなんて―――


心臓が、どきどきと落ち着かなかった。


顔が熱くなって、レジーの顔がまともに見られない・・・・・。
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