夢の彼方
「わがままでいいよ。優奈は遠慮しすぎる。もっと主張していいのに」


レジーがベッドでわたしを抱き寄せながら言う。


夜、子供たちが寝静まるころにやってきて、こうして私の部屋で過ごすことが多くなっていた。


時には夕食の時間からいて子供たちと過ごしていることもあるけれど。


わたしのマネージャーという仕事以外にもルークの補佐としての仕事があるレジーは、夜中まで働いていることも多かった。


「体、壊さないでね」


心配するわたしに、優しいキスを落としながらレジーが微笑む。


「優奈といると癒されるから大丈夫。優奈こそ―――もし大変だったら家政婦を雇ってもいいんだぜ。そのくらい、会社の経費で落とせる」


「大丈夫だよ。そんなにまだ忙しくないし・・・・家に、家族以外の人がいると気を使っちゃうし」


「俺は?」


「レジーは・・・・・違うでしょ?だって―――」


何となく恥ずかしくなって言い淀んでいると、レジーがおかしそうにくすりと笑い、わたしを抱きしめた。


「かわいいな、優奈は」


「―――年上を、からかわないで」


「からかってない」


熱っぽい瞳が、わたしを捕える。


逃げる間もなく、熱いキスが落とされて。


「―――んっ・・・・」


深く、激しいキスに、わたしの体からは力が抜けていった・・・・・。
< 118 / 149 >

この作品をシェア

pagetop