夢の彼方
「優奈、大丈夫か?」


レジーが部屋に戻って来た。


「わたしは大丈夫。それより―――これからどうするの?」


「うん。とりあえず、予定どおりでいいって。ルークはこうなることを予想してたみたいだな」


「え・・・」


わたしの言葉に、レジーはちょっと息をつき、ソファーに身を沈めた。


「日本に来ることが決まって―――一応調査しておいたらしい。こっちでの優奈の認知度がどの程度かって―――。で、これくらいならこのままの計画で大丈夫だろうと踏んだらしい」


「へえ・・・・・」


「へえって」


レジーが呆れたようにわたしを見る。


「だって・・・・ルークが大丈夫って言うなら、きっと大丈夫なんでしょ?それより、計画通りでいいなら今日、実家に行ってもいいってこと?」


「―――いいよ。まったく、あんたって人はどっかルークに似てるのかな、楽天家で―――さっきあんだけの人に囲まれてパニックになってたってのに」


「もちろんさっきのはすごくびっくりしたけど―――でも、あれって考えてみたらいいことでしょ?なんていうか―――有名になったってことは。芸能人としては」


「まあな。―――OK、じゃあ行こう。明日の仕事については車の中で話すよ―――ほら、君らのおじさんたちに会いに行くよ」


隣の部屋で遊んでいた子供たちが、レジーの声に『はーい!』と元気に答えたのだった。
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