夢の彼方
結局タケル君に押し切られてしまい、出荷の作業を手伝ってもらうことに。


「いいじゃん、その方が。ママはパソコンのお仕事があるでしょ?昼間に出荷やってると夜中まで起きてパソコンの仕事しなくちゃならいないんだもん。そんなことずっと続けてたらまた具合悪くなっちゃうよ」


里菜にもそう言われ、わたしも何となくそんな気になってしまったけれど―――


こういう時の女の勘は、侮っちゃいけないということを、この後嫌というほど味わうことになるのだった。


それは、母の葬儀から1ヶ月ほど経った頃だった。


わたしはいつものように家で1人仕事をしていて。


玄関のチャイムの音に、玄関へと出ていった。


そして扉を開けたわたしの前に立っていたのは―――


「こんにちは」


冷たい微笑を浮かべた、千鶴さんだった・・・・・。


「主人はどこ?」


鋭い視線が、まるでわたしを射抜く様だった。


「今―――倉庫の方に」


「よくもぬけぬけと―――あの人にはもう関わらないでと言ったのに!」


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