夢の彼方
「その炭酸飲料の爽やかなイメージにもぴったりだって、プランナーもぜひ君を使いたいって言ってるらしい」


「そうなの?」


「やるだろ?」


にっこりと、ドキッとするほどの笑顔。


―――こんな笑顔見せられて、断れるはずない。


ていうか、断る理由なんてないし。


「もちろん、喜んで」


「―――よかった。おめでとう。これでめでたくCM出演決定だ」


すっと差し出される手。


その男の人にしてはきれいな白い手を、わたしは握り返した・・・・・。


「え、あたしたちも出るの?」


紗菜がその大きな瞳をさらに大きくする。


「うん。家族全員で出て欲しいって」


「やった!楽しそう!ね、瑠加!」


「うん!そのジュース、もらえる?」


にこにこと嬉しそうな瑠加。


「もらえるかもね。撮影は日曜日だから、約束入れないでね」


わたしの言葉に子供たちが『は~い』と頷く。
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