夢の彼方
学校への編入手続きが終わり、里菜はバスで10分のハイスクールへ。


紗菜と瑠加はその隣のジュニアハイスクールへの編入が決まった。


今週から早速通いだし、里菜は大好きなバスケットボールクラブに入り、友達もできたようだった。


小柄な里菜はバスケットボールクラブと言ってもレギュラーを狙っているというわけではなく純粋にバスケットボールを楽

しめればいいと言うので、気軽に楽しんでいるようだった。


瑠加も最初は緊張気味だったものの小柄で女の子のように色白でかわいらしいルックスは女の子に大人気で、持ち前の運動

神経の良さで体の大きな男の子にもかけっこで勝利し、友達もできたようだった。


そして一番心配だったのが沙菜だ。


おとなしく、内弁慶なところのある紗菜は、あまり友達作りが得意な方じゃない。


体も小さいし、うまくクラスに溶け込めるだろうかと、心配だったのだけれど。


初日から『送ってくれた』と言って2人の男の子と一緒に帰ってきたのには、さすがにわたしも目を丸くしたのだった。


「ジョイと、レイフっていうの。近くに住んでるんだって。日本語教えてほしいっていうから、教えてあげてるの」


その代わり、紗菜は英語を彼らに教えてもらってるんだと言う。


それから毎日その2人と帰ってくるし、他の子も一緒の時もある。


電話がかかってきてたどたどしくも会話している姿を見ると、紗菜も紗菜なりに頑張っているんだと感心していた。


子供たちは3人それぞれ性格もバラバラだけれど、3人ともとても優しく、個性的だった。


子供たちまで芸能人にとは考えていないけれど、一緒に仕事ができることは嬉しかったし、わたしにとって何より心の支え

となっていた・・・・・。
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