禁断の恋

『だいじょぉぶぅ?お兄ちゃん』

「あぁ、なんとかな。」


俺の痛みより、

司の痛みの方が痛いことに

今更気づく。




ピリリリリリ




着信が入る。

携帯は使用禁止だけど

今の俺には携帯が必要だった。

姫香の連絡手段。

亜美ちゃんとの、司との・・・


「俺。」

<<遊君!!!!>>


聞こえたのは亜美の声だった。

ズキリと痛む。

聞いただろうな、俺の本音。

俺の本性を。


「ごめんな、最低で」

<<何言ってんの??>>

「は?司から・・・聞いて」

<<聞くも何も、家に帰ってきてからしゃがみ込んで、泣き出して、息出来なくなって・・・苦しんでた司をわたしは見たよ??>>


泣き出して・・・息が出来なくなった司?

過呼吸になった・・・のか??


「嘘だろ??」

<<さっき救急車呼んで病院に搬送してもらったんだ・・・>>


さっき急患者が来たって・・・


「まさかっっ・・・」


電話を切って、

走り出す。











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