禁断の恋
言い・・・逃げ?!
「俺の気持ち・・・か。」
今すぐ司に目を覚まして欲しい。
謝りたい。
今更遅いと思う。
俺の言葉がこんなに
司のことを傷つけるなんて思ってなかった。
「これ、起きたら飲めよ」
カルピスをコトリと置いて
病室を出た。
「このまま俺等の絆が壊れたままなんてやっぱ・・・」
だめだよな。
『お兄ちゃん!』
「あ、ガキ」
『お友達、元気だった??』
「あぁ、今寝てるけどな」
ベットに横たわりながら
幼い子供。
少女を見つめる。
『すみません。迷惑をおかけしてしまって』
この少女の母親だろうか。
疲れきったような顔をしている。
「いえ、全然。」
『この子、芹那っていうんです』
「芹那・・・」
「お兄ちゃんのお名前はぁ??」
「俺は遊。」
「遊お兄ちゃん!!」
小さな存在に
俺よりも小さな存在に
俺の心は浄化されるように
穏やかになったような気持ちになった。