禁断の恋

「俺の気持ち、伝えたけど?」

「冗談でしょぉ?翔がわたしのこと・・・」

「好きに決まってんじゃん。」


もう歯止めが

きかねぇ。


「亜美はアイツのこと・・・好きか?」

「アイツって・・・」


天道司。

それしかいねぇだろ??

元姉弟だったんだろ?

忘れてるわけ・・・


「あの人のこと・・・好きなのか分からない・・・」


背中に回した亜美の腕に

力入る。


「自分でもよく分からないの・・・ずっとずっと会ってないから・・・」


俺の服を掴む力も

強くなる。


「あの人って・・・どんな匂いだったっけ?・・・忘れちゃったよ・・・」


俺の腕の中で

言葉を発する亜美は

小さく見えた。


「こんなに甘い・・・優しい匂いだったっけ??」

「亜美?」

「ごめんね、翔に甘えすぎてた・・・」


俺を引き離して


「翔の甘い匂いに。甘い優しさに溺れてた。ごめんね。」


亜美は俯き、足を抱えて


「もう・・・来ない方がいいでしょ・・・??」


膝に顔を埋めて亜美が呟いた。












< 183 / 265 >

この作品をシェア

pagetop