禁断の恋
外に出れば
午前中には振っていなかった
白い雪が
振っていた。
「わぁ・・・」
手の平にのせれば
すぐに溶けてしまう。
「冷たい・・・」
「手、繋ご?」
翔が手を差し出す。
「うん」
司のこと思い出しちゃいそう・・・
手を繋ごう
って言ってくるのは
必ずと言っていいほど
司の方だったから。
「ちっちぇ~手」
「うるさーい、翔が大きすぎるんですっ」
「ま、俺がでかくないと、亜美のこと包めないもんな~、でかくてよかった」
そう言って
繋いでいた手を
翔は自分の
ポケットへと忍び込ませる。
「これでずーっとあったかいだろ?」
「うんっ」
司には「未練」が少しあるかもしれない。
でも愛はない。情だけだと想う。
翔のことは胸を張って「好き」と言いたい。
情は司だとしても、愛は翔に注いでるつもり。
「どこ行くの??」