禁断の恋

「パパったら翔君のこと気に入ったみたいねー」

「ほんと?パパ」

「今どきでもあんな真っ直ぐな青年いるんだな」


パパはどこか寂しそうに

切なそうに

嬉しそうに

悲しそうに

ポツリと言い放った。


「パパ?」

「正直亜美が結婚するなんて・・・父親として寂しいなぁ」

「パパ・・・」

「亜美が大事だからこそ心配なんだよ、」

「大丈夫。翔はね優しい人で、強い人だよ」


心配することなんて何もないよ?

翔が守ってくれるって。

翔がわたしの傍にいてくれるもん。

大丈夫、大丈夫だもん。


「泣きそうな顔をするんじゃないよ・・・」

「だってわたしもパパのこと好きだからぁっ」


パパが好きだからこそ

パパの気持ちが分かった気がする。


「亜美には幸せになってもらいたいからね。」


勝手に泣き始めたわたしの頭を

幼い頃と同じように

頭をゆっくりゆっくり

撫でた。


「こうして何回亜美の頭を撫でられるだろうか」

「ずっとずっとだよ。」

「いつまでこうして亜美と話すことができるんだろうね」


ねぇなんでそんな悲しいこと言うの?

もう出会わないような。

そんなこと言わないで。













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