禁断の恋
「亜美・・・」
パパがわたしを見る。
「パパッ。」
「腕を組んで歩くなんてこれで最後なんだろうなぁ」
「ドヂなことしないでよねー」
「しないしない。こんな大事なときに」
パパと喋っていたい。
でも教会の扉が
ゆっくりと開く。
「行こう、パパ」
「あぁ。」
前を見て歩く。
こんな風にずっと
歩くよ。
「ねぇパパ」
「ん?」
コソコソっと話しかけたわたしの
問いかけにパパは
ちゃんと答えてくれた。
「パパのことパパじゃないって思ってたときあったんだ。ごめんね、パパ」
「いいさ、誰でもあの状況ならそう思うよ。きっと」
「パパが亜美のパパでよかった、」
この気持ちに偽りなんてない。
「亜美がパパの娘でよかったよ。」
「ふぇ・・・パパァ」
歩きながら泣いたのは
何年ぶりだろう。
「泣くのはまだ早いよ、堪えて」
「パパありがとう。大好きだよっ・・・」
「パパも大好きだよ。さぁ、翔君のところへ行っておいで」
優しく離れた手は
翔の手に優しく触れた。