私の愛した先生。【完】
先生は私の顔を見たまま何も言わない。
そんなに見られると困るって言うか…
恥ずかしいんですが先生?
「先生!そんなに見ないでくださいよっ。恥ずかしいじゃないですか」
私はそう言って先生の顔をむりやりそらせる。
「あぁ悪い…」
先生はそう言って姿勢を直す。
先生が私の表情の変化に気づいてくれたのは嬉しい…
でもこの気持ちを気づかれたくはなかった。
恥ずかしいのなんて本当は口実で
自分自身の気持ちを隠したかったんじゃないだろうか?
私は自分の心の中でそう思った。