私の愛した先生。【完】
「っ…悪い…」
先生はそれに気づいたのかパッと腕を離す。
私はただじっとその場に立っているだけ。
「悪い…」
先生は再び同じことを口にする。
私は別に謝ってほしいから泣いているんじゃない…
私はただ知りたいの…
あなたの気持ちが…
心の中でそう思っていても口にできない。
きっとそれを聞いた瞬間
本当に後には戻れなくなると思うから。
「帰りますね!」
私は先生の言葉には触れずただ笑顔でそれだけ言って
学校をあとにした。