私の愛した先生。【完】
「明~。先生と何話してたの??」
梨絵が楽しそうに聞いてくる。
本当に梨絵は人をいじるのが好きだから困ってしまう。
「別になんにも…」
「なんにもはないでしょ~」
「まぁいいじゃん。話せるときがきたら話してあげる」
私はそう言って逃げるようにトイレに向かう。
今は給食の準備の時間だから少しの間ならいなくても問題ない。
そして鏡の前にたち自分の顔を見る。
「笑えてる?」
いままでどんなことがあっても自然に笑ってきた私。
でも今回は笑顔さえうまくつくれているかわからないくらい
私の心は追い詰められていたようだ。