私の愛した先生。【完】




「悪い…なんか聞いちゃいけなかったか?」


「そんなことないですよ!でも性格について聞かれるとなんていうか自分でもよくわからなくて…」


「よくわからない?」


「昔の自分と今の自分があまりに違いすぎてどれが本当なのかわからないんです。全部本当かもしれないし、全部嘘かもしれない。本当の自分ってなんだろうって思っちゃうんです…って私何言ってるんですかね」




私は重くなりつつある空気をなんとか戻そうとあわてて付け足す。


私ったら何言ってるんだろ…


こんな話聞いたって先生には関係ないことなのに。



案の定先生は何も言わない。


きっとどう答えたらいいかわからないんだろう。



そして私は恐る恐る先生の横顔を見た。


するとその表情はどこか悲しで


私に同情するかのような目だった。




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