また会いたくて。
「・・・・」
「おい...東行けよ」
俺らは、教室の前で声にならないくらい小さな声で話していた。
「涼介。早く呼んでこいよ、おい」
「はぁ?」
ヒソヒソとしている声は、ギリギリ聞こえるか聞こえないかぐらいだ。
東がやっと切り出した。
「涼介。2人で行こう」
「はぁぁ??」
「いいじゃんか!妃ちゃんに会うんだろ?」
「ったく。分かったよ」
俺らが足を踏み出したところだった。
ポンポンッ
「あ?」
「あーッ。日暮里~」
東が叫んだ。
俺は『日暮里』と呼ばれる奴を知らなかった。
俺は東に耳を傾けた。
「おい、東。ソイツ誰だ?」
俺が、小さい声で尋ねた。
「あ~コイツは、日暮里で俺の幼なじみ、みたいなモン」
「へぇ」
と俺が言うのと同時に、
「日暮里っス、よろしくぅ」
「よ・・・よろしく」
俺は気が乗らないまま言った。
「んで、日暮里。何の用だ?」
東が顔を乗り出した。
「あ~。妃と南が何だとか言ってたからさ~」
「なななな・・・なんでお前それ!」
俺らは動揺し、日暮里に向かった。
「だってよ~。入り口でこんな大声で言ってたら、聞くなって方が無理だっての!」
俺らは辺りを見回した。
こっちを見ている人が多々。
そこまで多くはないが、多いな。これは。
俺らは慌てて、
「じゃじゃじゃあ、おおぉ俺らはこの辺で・・・・・」
帰ろうとして方向を変えた。
「ちょっとアンタたち!」
俺らは誰かに呼び止められた。