ぁりがとぅ
1章 涙の柱
はじめまして
あきなと出会ったのは、去年の6月―…
「初めまして、田畠あきなです。宜しくお願いします・・・」
緊張してたのかな?
あたしは忘れない。
あの時のあきな可愛すぎて。
まずあたしは、
喋り方がすごく気に入っちゃった。
あきなが来る日の前日ー…
「山田ー。視聴覚室から机と椅子、
出来るだけ綺麗なやつ運んどけ。」
「へーい…」
あたし達は廊下をひたすら拭いていた。
夏が近づいてきて、じめじめしてて。
廊下は長いし、ただだるい掃除も
その日は机について知りたかった。
「山田~。それなんで?」
「なんか…先生が運んどけって」
「そんなん、さっきも聞いたし」
「はよ矢田掃除しろや」
矢田っていうのはあたし。
矢田日和。
新しいクラスに未だなじめずにいた
中2、6月。
ただ同じ班の人には心が許せるような、
そんな感じがしていた。
でもこの山田は嫌いだった。
授業中も、ずっと喋ってきて
「うるさい」って言うと
あたしの彼氏の名前を叫ぼうとしたり。
そんな平凡な(?)毎日だった。