つながり
「おばあちゃん、大輔は?」
母がおばあちゃんに尋ねる。

「お?もう3時か。もうそろそろ帰ってくるじゃろ」
おばあちゃんは、洗濯物を取り入れていた。

「そう・・もうすぐ帰ってくるといいけど・・」
母は空を見上げる。

少しずつ青かった空が、少しずつ灰色の雲を運んでいた。
「一雨きそうじゃの」
おばあちゃんも空を見上げる。

「大輔・・。」
母は心配するようになる。

ここ波照間島は、湿気が多く雨がよく降る。
時にはスコールもあるのだから、波照間島出身の母はよく分かっている。
スコールの恐ろしさを。


・・・・。
・・。
・。

ボクは何をしているんだろう?
少しずつ身体に感覚が戻ってくるのを感じる。

そのとき、ズキッと痛みが走った。

「いてぇ!」
痛みで完全に目が覚めた。

大輔は足を手で押さえる。
「いっててて・・。なんなんだ?」

周囲を見渡す。
草が茂っていて、大輔の身長位あった。

「なんで僕、ここにいるんだろう?」
記憶があいまいなままだった。

徐々に記憶が戻ってきて・・・。

「あ!僕、崖から落ちたんだ・・!!」

森林の中を歩いているときに、高低のところがあり、下を覗いていたら、足元が緩くなってて、大輔は落下してしまったのだった。

「あちゃ・・って、ここよじ登れないなぁ。」
大輔は立ち上がろうとする。
すると、足に激痛が走る。
どうやら、骨折したようだ・・・・。

「いって・・!!!お母ちゃ~ん!!!!!!」
あまりもの激痛で、母を呼ぶ。

そして――――――

夕方 4時

スコールがやってきた・・・。
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