過去作品集○中編
少し明るめの髪に左耳の複数のピアス。
大口あけて笑う彼は、いつも人だかりの中心だった。
『そんな貴方が好きでした』
そんな彼に告白したのは、高校2年生の1月。
振られても残り3ヶ月。
1つ年上の彼は、すぐに卒業していなくなる。
だから最後にと、勇気を振り絞った。
『彼氏になってって事?』
『あ……はい……』
『いいよ。 俺の事は達也でいいからね』
駄目元の告白は、なんと成功してしまったのだ。
「可愛い」とか「大好き」とか……
その言葉だけで幸せだった。
憧れの達也先輩を独り占めできるんだって、嬉しかった。
本当に、本気で、
彼が大好きだった……