過去作品集○中編
馬鹿だって言われるかも知れない。
懲りないねって呆れられるかも知れない。

それでも、
私はまた、誠とやり直す事を決めた。

もう一度だけ信じようって思った。

うん。
頑張ろう。


『おはよ』

次の日になると、吉見はいつも通り。
まるで昨日、何もなかったのように。

『何、俺を見つめてんの? 惚れちゃった?』

『ばッ……』

馬っ鹿みたい!
ってか、会話しないんじゃなかったっけ?

そんな普通に振る舞われたら、昨日の事謝れないじゃん。

『吉見って、ふざけてばっかだよね。 そんなんじゃ好きな子に誤解されるよ』

『うん? そーかもねぇ』

吉見は、苦笑しながら、机の上に溜まった消しゴムのカスを集めだす。

真面目に聞いてないだろ、こいつ。

『つか、俺の好きな人って夏乃だしね』

『はぁ?』

驚く私に対して、ニヤニヤと……

冗談、だよね?

『あはは! その困った顔めちゃ笑えるんだけど!』

『さ、最低!!』

『だって夏乃は彼氏いるじゃん! 俺、略奪とか向いてないし』

向くとか向いてないとかあんの!?
ってか、その冗談自体が有り得ないっつーの!!
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