狼がいる保健室
そして入学式が始まって、校長の長い話も始まる。
「中学校から、エスカレーター式で上がってきた生徒もいると思いますがー…」
カクッ…カクッ…
眠いよぉ…、校長の話がまるで子守唄みたい
あ、もうだめだ…。
「咲里奈ちゃん、保健室行こっか」
…。さくら先生…あたし具合悪い訳じゃなくて、眠いだけなのに…。悪い先生だなぁ…
「うん…」
先生に肩を抱えられ、“体調不良の生徒”として、体育館を後にする。
「まったくー入学式の最中に寝るなんて…」
「えへへ、だって眠かったんだもん。」
猫のような、ふにゃっとした感じの笑顔を先生へと向ける。