狼がいる保健室
「わかってるー…もうご飯いらないやぁ、着替えてくる~」
せっかくリビングまで来たけど、食欲ないからご飯パス。
「え、ちょっと咲里奈!あぁ、もう…身だしなみだけはちゃんとして、行きなさいよ?」
「はいよ~」
フラフラした足取りで自分の部屋へと戻る。
踏み外さないように、踏み外さないように…と
『ガチャッ』
「…だめ、だめ…ッ」
ベッドにダイブして、また寝たい気持ちをぐっと押さえ、きれいに整えられた制服を着る。今日から、高校生かぁ~…
実感ないなぁ…。
中学生の頃とクラスメートあまり変わらないし、
だってほとんどの子があたしみたいなパターンだから。
転入生とか、来てくれたら嬉しいけど…
何もかも、あたしには関係ないかっ!
あたしは、いつも保健室でお昼ねしてるから♪
今の季節は、ほんと最高なんだよねぇ。
なんて、くだらない事を考えながら身だしなみをさっと整えた
「行ってきまーす」
「いってらっしゃい!」