One's time《短》
風呂場から聞こえるシャワーの音に耳を傾けながら、台所で人参を切る俺。
なんか、旦那が風呂入ってる間に晩飯作る嫁さんみたいだな。
と、一人で小さく笑う。
マリカは女にしては風呂が早いから、あと十分もすれば上がってくるだろう。
早く作らなきゃまた文句言われるな。
俺は切り終わった人参をボールに移した後、冷蔵庫からキャベツとそば玉を取り出す。
ちなみに、そばは三玉は必要だ。
マリカの食欲は本当にすごいから。
そばをほぐしながら、人参とは別のボールに入れ、キャベツを切り始める。
そのとき、ふいに。
初めて話したときも焼きそばだったな、と思い出して頬が緩んだ。