One's time《短》
だけど。
このときのマリカは、右手には箸。
左手には焼きそばが山盛り入った白いパックが握られていて。
ほっぺはハムスターみたいにパンパンに膨れていて、口をもぐもぐと動かしていた。
唖然としてしまった俺。
まさかあの生林茉莉花が焼きそばを、口いっぱいに頬張ってるなんて。
これは噂以上の変わり者かもしれない。
そんな事を考えてた俺の前で、口に入っていたものをゴクン、と飲み込んだマリカは……
「焼きそば食べてるの。
アンタも食べる?」
と、とても呑気な口調で俺に焼きそばの入ったパックを差し出してきた。