One's time《短》
金曜日。
俺にとっては一週間で最も憂鬱な曜日だ。
理由は苦手な教科がテンコ盛りだから。
だけどこの後の事を考えればそんな憂鬱な気分も、自然と陽気になる。
部活動に励む生徒たちを横目に、俺は鼻歌まじりで校庭を歩く。
そんな俺を、同じように校門に向かう生徒たちが変な目でみているけど。
俺は鼻歌をバラードからロックにかえて、歩行速度を上げた。
「アマネー!」
校門をくぐる直前に、後ろから聞き慣れた声がする。
仕方なく足と鼻歌を止めて振り返ると、ユージが走ってこっちに向かってきた。