One's time《短》
ユージはこのくそ暑いなか走ってきたくせに、その顔には汗一つ浮かんでいない。
こいつ、サイボーグか?
「なあ、アマネ。今日合コン行かね?」
まじまじとユージの顔を見ていると、その顔がいやらしく歪む。
本当にこいつは……そんな事のために走って俺を呼び止めたのか?
「無理。今日はマリカと遊ぶから」
今日一日、俺はそれだけを支えに古典や英語と戦ったんだ。
それなのに合コンなんて行くわけがない。
だけど俺の返事に、ユージは呆れたようにため息を吐き出す。
……ため息を吐きたいのは俺の方だ、という言葉は何とか飲み込んだ。