One's time《短》
「少女漫画や恋愛小説? それなら……デートして手を繋いで、キスするってこと?」
さすがは活字中毒。
少女漫画や恋愛小説も読んでいるらしい。
俺としてはその項目にあと一つ、プラスしたいことがあるけれど。
「まあ、そんな感じ」
そんなことをマリカに言えるわけもなく。
マリカの考えが間違っているわけでもなかったので、俺はそんな言葉を返した。
するとマリカは何かを考えるように俺から目を逸らし、天井を見つめる。
……こうなるとマリカは長い。
世間の時間を完全に忘れて、百パーセント自分の時間に入ってしまう。
結局、質問の意図はなんだったんだろう。
考えてもわからないので俺は仕方なく、パソコンのトランプゲームを始めた。