One's time《短》

あの突きの苦しさといったら半端ない。

俺は息が止まった瞬間を思い出してしまい、何だか呼吸が苦しくなってしまった。


「ふーん。まっ、頑張れよ。避妊はちゃんとしろよ?」

ユージは俺の忠告を本気にしていないのか、余計な事を言いながらニヤニヤと笑う。

俺とマリカは“まだ”そんな関係じゃないって何度も言ってんのに……

こんな奴、マリカにやられればいいんだ。

と、いう感情が湧いた事は言うまでもない。


ポンッと俺の肩を叩いてから、ニヤニヤしたまま校舎に戻っていったユージ。

その背中を見送った後、俺は額に浮かんだ汗を拭ってからマリカに会いに行くために校門をくぐった。
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