One's time《短》
襖を完全に開けると、まず目に飛び込んでくるものは黒とピンクとキラキラだ。
真っ黒の絨毯。
ピンクのテーブルに置かれている、デコレーションされたノートパソコン。
黒いテレビ台の上には小さな液晶テレビ。
それと対照的な大きな黒い本棚。
一見、とても圧迫感のある部屋のようだけど、実はそうでもない。
それは絨毯の上に直接おかれている、真っ白なマットレスのおかげだ。
壁……ではなくて押し入れに沿うように置かれた、この部屋の五分のニをしめている白。
この家の主であるマリカは、そこですやすやと眠っていた。