クリームパン


――――――悠の発言からオレの思考回路はシャットアウトした。“お前は恋したんだよ”頭の中で何度も連呼された。





「………っる、渉!!」





悠の声でようやく現実に戻ってきた。


「…………オレが恋?しかも、杏に!?」


「そーだよ!!たぶん、杏が和樹と話してるのを見てヤキモチ焼いたんだろ。それが、胸が変な原因」


「オレ、どうすりゃいい?」


「お前は乙女かッ!!告白するしかないだろ、男だったら」


「告白なんてしたことねぇーよ」


「告白に決まりなんてない!ただ、自分の気持ちを正直に伝えるだけだよ」


「でも………」


「まぁ、急ぐ必要なんてねぇから、ゆっくり考えな」


「…わかった」


「それでよし!じゃ、また明日な」


オレらはそれぞれの家と帰った。




< 12 / 74 >

この作品をシェア

pagetop