クリームパン
〜杏side〜
教室のドアをあけるとそこに、イスに座っている渉がいた。
あたしは抱えている不安を気づかないように微笑んだ。
―――上手く笑えたかな?
そう考えながら、渉の隣に座る。
『話しって…なに?』
怖いけど聞いてみる。
―――答えが聞きたいから
でも、渉はなかなか答えてくれない。
あたしの中でどんどん不安は募っていく。
『………渉?』
すると、渉は意を決したように勢いよく立ち上がった。
「……オレ………、お前の事が好きだっ!!」
―――――えっ?
あたしの頭は思考停止となった。
だけど、確かに頬を伝うものを感じた。
「………………嫌だった?」
悲しそうな顔であたしに訪ねる。
あたしは力強く首を左右に振り、自分の気持ちを告げる。
『…好きっ……大好きっ』