クリームパン
『えっ、…いいの?』
予想外の返事に若干戸惑うあたし。
「だってお前、小さい頃から食べたいものが食べられないとチョー根に持つじゃん」
と、少し食べかけのクリームパンをあたしに差し出す。
『さすが幼なじみ!よく分かってる!!』
あたしと渉は小学生からの幼なじみなのだ。渉の思いやりに感動しながら勢いよくクリームパンにかぶりつく。
『おいしぃ〜』
「てか、お前のひと口デカすぎ。あと半分しかないじゃん。」
若干ヘコみながら、あたしのチョコパンを見る。
―――ニヤリ、渉の口角が上がった気がした。
――――――――パクっ
『………ちょっ、何すんのよ!あたしのチョコパンがぁ……』
そう、渉があたしのチョコパンを食べたのだ。
「仕返し♪」
『ひどッ!そんなに食べたくてもいいじゃん!!』
―――「2人とも仲いいね」
「『よくないッ!!』」
あたし達は、愛華の発言に反論する。
「すごーい。ハモった」
だけど、愛華はあたし達の反論なんて、気にしない様子だった。
『はぁ……。愛華、教室戻ろ』
あたしは残りのチョコパンをアイツに食べられないように急いで口に入れた。そんな事、もう気にしないアイツは友達と喋っていた。
教室に戻る時、なぜか2人の間に沈黙が続いた。
そんな沈黙を破ったのは愛華だった。
「……………ねぇ」
ビクっ!いきなり愛華が話しかけたから、あたしは必要以上に驚いてしたった。
『なっ、何?』
そんなあたしを気にもせず愛華は話始めた。
「…今の杏¢と渉クンって……………………………