クリームパン
〜渉side〜
「……部活行くかな」
オレは独り言をつぶやきながら支度した。
オレは弓道部。女子剣道部の部員は少ないが、男子剣道部となるとそれなりに人数はいる。
部室に入ると掃除のため遅れたからか、誰もいなかった。
オレは着替えを済まし、体育館へと向かっていた。
すると、杏と愛華と後輩の和樹が楽しそうに喋りながら体育館へと向かっているみたいだった。
―――――胸のあたりが変だ。
ふと、そう思った。だか、原因は解らなかった。
「今日もよろしくお願いします」
と和樹が2人に言ってるのに対してついツッコミをいれてしまった。
「お前はいつから女子剣道部員になったんだ?」
「渉先輩ッ!」
そして、思ってもない事を口に出してしまう。
「お前もよろしくねとか、言うなよ」
『あはは、、つい』
杏の動作や言葉に何故か胸が変になる。
それを悟らないようにオレは体育館への足を早めた。
「まぁ、別にいいけど…。じゃ、先行くから。和樹、お前も行くぞ」
「はいッ!」
和樹の威勢のいい返事を聞くと同時にオレは駆け出した。