王様とアタシの絶対恋愛制度


「おはよ」


「お、おはよ」


窓を開けると隣の家の窓から
こちらをみて微笑む制服姿の少年と目が合った


それがさっき夢に出て来た"ちぃ"こと大杉 知晴(オオスギチハル)


知晴とは家が隣通しで、幼なじみ


小さい頃はからいつも一緒にいて
兄弟見たいな存在だったのに


いつからだろう?


気が付けばあたしの中で
知晴は兄弟ではなく特別な
存在になっていた


たぶん、物心ついたときから
ずっと知晴が好きだったんだろうけど


この気持ちが恋だと知ったのは最近になってから


でもその近すぎる関係から
今さらそんなこと知晴に言えないし…


知晴はあたしのこと
ただの幼なじみだと思ってる
かもしれない………


そう思うと『好き』
その一言のせいで
今の関係が崩れるのが怖いんだ


「俺の事呼んだ?」


き、聞こえてたんだ


「よ…呼んでないよ!?」


呼んだ…と言えば呼んだんだけど…


今のは寝言です、なんて言えるわけない


あたしはとりあえずアハハハハと誤魔化すように笑った

< 10 / 67 >

この作品をシェア

pagetop