王様とアタシの絶対恋愛制度


日本が絶対王政制度の国へと変わったのは


"第3次世界大戦"が終戦した次の年の初めのことだった


終戦した年の冬…


この戦争を勝利に導いたある人物は天皇のもとへ招かれた



「今回、勝利を収めることが出来たのは
君の素晴らしい才能のおかげだ」


感謝している、そう言って天皇はその人物に一生遊んで暮らせるほどの大金を差し出した



しかし…


「馬鹿馬鹿しい…

こんな紙屑が日本の未来を救った俺に対する感謝の気持ちか…?」


その人物は普通なら目も眩む大金を目の前に
表情1つ変えず冷たく言い放った


天皇を初め政府関係者の全てが驚きで声を失う


「では何を望む?」


困り果てた天皇は顔を歪めてそう尋ねると


待ってましたと言わんばかりに彼の表情が緩む


「俺が欲しいのは

この国…日本だ…」


日本…その言葉に周りの空気は凍り付き皆息を飲んだ


彼はそんな周りの雰囲気など気にも止めずに続ける


もしこれを受け入れないなら…


政府と天皇を力で壊滅させる、と


溢れんばかりの才能と、武力、信頼性に優れたその人物に、政府と天皇の権力などつかえない


そう悟った天皇はそれを受け入れざるおえなかった


そして日本国の王の名を手に入れた彼は


いわば江戸時代の幕府のように政治の実権を握り


日本を政略した


今から始まるのは


それから10年後のある暖かい春の日に始まった、物語…


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