王様とアタシの絶対恋愛制度



いつになったら覚悟出来るのだろうか


いつになったら逃げずに
この気持ちと向き合えるのだろうか


いつになったら…


この想いをあなたに伝えられるのだろうか…


たとえそれが一方通行な思いだとしても


今の関係が崩れることなど気にせずに



「ただいま…」


さほど重くないはずの扉の
重みを両手に感じながら開く


返事なんて返ってこない
それはもうあたしにとって
当たり前になってしまっている


これも普段と何も変わらない動作と
見慣れた景色…


ただ違うのはそんなあたしの帰りを
待ち望んでいた"あるモノ"があったこと


「あっ…」


あたしは視線に入った"あるモノ"
をそっと手に取った


それは───


朝置きっぱなしにした赤い封筒の手紙


忘れてた…


誰からだろう?


その不思議な赤い封筒の正体を
探るように見ると


赤い封筒に白い文字が並んでいて


表にはあたしの住所と名前
郵便番号が裏には送り主の
情報らしき物が記されていた


ゆっくりと送り主の名前を読む


「お う きゅ う?」


ええっ?


王宮??



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