王様とアタシの絶対恋愛制度
「嘘…だろ?」
力が抜けて持っていた手紙は
ゆっくり地面に着地する
凪紗が…王の后に…?
信じられないただそれだけで
頭の中が真っ白に染まっていく
しかし疑いは
目の前に広がる光景に
目の前で震える凪紗の姿に
無情にも書き消された
「嘘…だろ…?
なぁ…凪紗…!
冗談だよな?」
それでもなお信じようとしない
俺の心が必死に抵抗する
"嘘だよ"そう言って笑う
凪紗の笑顔を期待してしまう
凪紗は小さく首を横に振った
「嘘…じゃない…よ…」
震えてて今にも消えそうな声
凪紗の肩がいつも以上に小さく見えた
ギュッ
凪紗の身体を引き寄せる
出来るなら今すぐ凪紗を連れて
どこか遠くへ逃げてしまいたい
王の命令何てどうでもいい
目の前で怯える大切な人を守りたい…
でも…今の俺にはそんな力も
時間も逃げ切れる勝算も何もない
ただ、無力過ぎる自分を
責めることしか出来なかった…