王様とアタシの絶対恋愛制度


「どこ、ですか?ここ」


「王宮の敷地内です」


ええええええー!?


ここが、王宮!?


目の前に広がる今までに見たどの景色より美しい風景


それは無限に広がるカラフルな丘だった


アニメで見るような一面花だらけの花畑


少し向こうには小川があり
ヒラヒラと紋白蝶が舞い上がっている


さらに向こうには3つの風車が
風を受けて大きな羽を回していた


あたしから見える一角でさえ
敷地の広大さがよく分かる


先が見えないのだ


うそ、王宮ってある程度すごいってことは想像してたけど…


想像以上もいいところだ


高層化が進みずっとビルばかりが
建ち並んでいるあたしの街では
絶対に想像出来ない大自然


王宮の中にこんな大自然があるなんて
一体誰が想像するだろう


心はざわざわと騒ぐのに
体は衝撃で金縛りに合ったように動かない


「でも、屋敷らしいところは
どこにも見当たりませんよね!?」


無理矢理体を動かし紫野さんに詰め寄る


大自然は永遠と続くのにどこにも
建物らしきものが見当たらないのだ


「凪紗様から見えるのは庭です」


庭?これが!?
そう思ったあたしの気持ちは
あくまで一般論だと思う


じゃあ、屋敷は?


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