王様とアタシの絶対恋愛制度
「屋敷はこちら側にあります」
そんな声に振り返ると紫野さんは
既に外に出て車のドアを開けて待ち構えていた
ドアの隙間からは良く外が見えない
あたしはゆっくり立ち上がると
吸い込まれるように車の外に向かった
わああああーー!!!
心の中のあたしは悲鳴にも似た声を上げるが
感動と驚きのあまり言葉が出なかった
目の前には幅50メートルぐらいの
白く段が低い階段が25メートルぐらい続いていて
その真ん中にはよく見る赤いカーペットが敷かれ
その1歩後ろぐらいにズラーッと
使用人らしき人が一列に並んでいる
もしかしてこの間を通るとか
言わない、よね?
言わないでくれ。そんな期待を
込めながら自分に言い聞かせるが
「こちらへどうぞ」
紫野さんが歩き出した方向には
明らかに赤いカーペットが続いていた
うそ…
心臓がばくばく騒ぎ妙に冷や汗をかく
躊躇うあたしに紫野さんは
容赦なく進むことを促す
もー!!なんとでもなれ!!
歩き出したあたしはやけになっていた