王様とアタシの絶対恋愛制度


あたしがカーペットに降りた瞬間
使用人の人たちは深くお辞儀をする


その綺麗で統一感のある姿に素直に感動した


しかしここであたしは所詮一般庶民でしかない


言わばこのカーペットを歩くこと自体場違いなのだ


感動はすぐに恥ずかしさと申し訳ない気持ちに変わった


「早くこの状況に慣れてくださいね」


紫野さんがあたしの心を察したようにちらっとコチラを振り返って言う


その顔は笑顔ではあるが、脅されているようなそんな威圧感も感じる


慣れたくないな…


気が付けば知晴の顔を思い浮かべていた


ため息を着きたい気持ちをぐっと堪える


気を紛らすために左右を見渡した


屋敷は左右に長く上には高く続いていて


幅は超大型のショッピングモールほどある洋風のお城をイメージさせる造りだ


庭には綺麗に整った木と色合いの綺麗な花が植えられ


お城の定番とも言える噴水があった


まるで異世界に紛れ込んでしまったみたい


今なら不思議の国に迷い込んだアリスの気持ちが分かる気がした


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