王様とアタシの絶対恋愛制度
しばらくして着替えが終わった頃に紫野さんが現れた
「凪紗様、準備の方はよろしいですか?」
「は、はい…いちおう」
やっぱり違和感がある
「とてもお似合いですよ」
そ…そうかな?
あたしはキラキラ輝くドレスを見る
こんなかわいいドレス
きっとあたしには似合わない
でもお世辞でもその言葉が
嬉しかったのも事実だった
「では、さっそく国王のところに
ご案内いたしますね」
えっ!?
「王様のところへですか?」
「はい、早く凪紗様を連れて来いと
命ぜられているもので…」
胸が苦しいほど心拍数が上がった
正直まだ不安だらけで
心の準備が出来ていない
でもきっとあたしに拒否権なんてないんだ…
そう諦められるようになったあたしは
少し大人になったのだろうか
何はともあれ
王様って一体…どんな人なんだろう
そんな疑問と不安に駈られながら
あたしは重たい足で紫野さんの後を追った