王様とアタシの絶対恋愛制度
沸騰してしまいそうなほど顔が熱くなって
「ば、バカにしないで」
一歩、いや…三歩ほど後退りして王様を睨み付ける
しかし、あたしは直ぐに自分の行動に後悔した
王様の座っていた椅子の隣で
じっと立っていた長身の男がすごい剣幕であたしに歩み寄りはじめたのだ
「君!王様に何てことを…」
見たところたぶんボディーガードかなにかなのだろう
心臓がドキンと跳ねた
ヤバい、殺される…
脳裏に一瞬そんな考えが過ったところで
男の足は止まった
…というより王様によって止められた
「坊っちゃ…」
「ダメだよ!凪紗に乱暴したら許さないから
それに凪紗は俺のフィアンセだ。君なんて失礼だろ?」
優しい口調。
でもその中に絶対的な強制力を感じる
実際に王様より遥かに強そうな大男がその言葉で急に大人しくなったわけであって…
「すみません。凪紗様。」
こちらこそすみません
そう思ったけど、言えるような状況でもない
王様は満足気に笑顔でうなずくと再びあたしとの距離を縮めた
「それに…
心配しなくても、黙らせたいときは自分で塞ぐよ
凪紗の口をね」